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ケスキネンの階層的アプローチ
4種類の技能
企業の交通事故防止をお手伝いをさせて頂いている中で参考になる事が、交通心理学者のエスコ・ケスキネンが提唱した「運転行動の階層的アプローチ」です。
ご存知な方も多いと思いますが、運転行動の階層的アプローチを簡単に説明をさせて頂くと、安全運転には4種類の技能が必要とされ、それぞれの階層に分けることができます。
①社会性
②運行計画
③交通状況への適応
④車両操作
順位が上がるほど重要度が高い技能であり、上位が下位を支配することになります。
いかに運転技術や交通状況への適応技能が高くても、余裕のある運行計画の立案ができない、また、「安全に運転しよう、事故を起こさないようにしよう」という意識や責任感が持てない、他の交通利用者に対する配慮ができない等、「社会性」を持たなければ安全な運転を行うことができないということになります。
交通安全教育では運転技能や危険予測などの教育が多い中で、「人間性や社会性の教育」も必要になってくるということではないでしょうか。
事故原因は様々
もちろん、実際の交通事故原因も様々だと思います。
例えば、車両感覚がなくて、狭い道などですぐにこすってしまう。
危ない状況であることが分からずに、狭い路地などで速度を出してしまう。
危ないことは分かっているけれど、安全運転をしようという態度がなく、危険な運転行動をしてしまう。
無謀な運転計画を立てて、疲れから事故を起こしてしまう。
朝、奥さんと喧嘩をして、考え事をしていて事故を起こしてしまう。
体調の悪さから事故を起こしてしまう。
などなど様々です。
そこで、階層に対してアプローチし、どこに問題があるのかを突き止める必要があり、その上で、問題のある部分を改善するような対策を打つ必要があります。
交通教育の構築や取り組みに行き詰まりを感じている方は参考にして下さい。
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