column
ハッピーハイポキシア
自宅療養者の増加
私の周りでも新型コロナウイルスに感染したという話を耳にする機会が出てきましたが、現在、新型コロナウイルスに感染し自宅療養する人は全国で12万人にのぼるようです。
自覚症状から軽症と判断され、自宅療養している人の中には、気づかぬうちに悪化し、助けを呼ぶのが遅れてしまう方もいらっしゃるというニュースを目にすると、ことの深刻さを感じます。
さて、そんな中、先日、追突事故のニュースが目にとまりましたので共有したいと思います。
事故の概要は、信号待ちをしていた乗用車に後ろから軽自動車がゆっくりと接近し、止まることなく、そのままコツンと追突しました。
追突された車の男性が、軽自動車を見ると運転席で男性が、つっ伏していたといいます。
加害者の男性は50代。救急隊が駆け付けるとすでに心肺停止の状態で、その後、病院で死亡が確認されました。
死因は「正常な肺の部分は一切のこっていない。ひどい肺炎があって、コロナ肺炎による低酸素血症が死因」とのことで、肺炎が重症化し、低酸素の状態にも関わらず自ら運転していたことになります。
ハッピーハイポキシアとは
果たして、亡くなってしまうほどの肺炎の状態で車は運転できてしまうものなのか?
疑問に思うことろですが、「死ぬ直前の酸素が足りない状況でも、車が運転できてしまう、まさにハッピーハイポキシアという状態」があるということを知りました。
この、ハッピーハイポキシアは「幸せな低酸素症」と呼ばれ、患者の中には肺炎が悪化し、血液中の酸素の状態が悪くなっても、息苦しさや呼吸困難を自分で感じにくいこともあり、自覚症状から軽症と判断してしまうことや気づかないうちに重症化するケースも十分に考えられます。
情報共有による対策
本来、呼吸困難はとても苦しい症状であり、患者に診られる症状で、本人が苦しさを感じないことを『ハッピー』と表現したようですが、どちらかというと、気が付かずにいつの間にか忍び寄る様子から、現在は『サイレント』の方が適しているとされています。
呼び方を改めて、静かに忍び寄る「サイレント・ハイポキシア」の患者は、血液中の酸素濃度が低下していても、息苦しさを訴えないこともあり、企業の運行管理者や安全運転管理者の中では、企業ドライバーに対して、新型コロナウイルスの感染防止や日頃の体調管理には十分に注意を払われていると思いますが、こうした、自覚症状が無いケースや他者が全く気づかない重篤な肺炎に至っているケースがあることからも、企業ドライバー内での情報共有による防止対策が必要だなと感じました。
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