人間の危険予測能力

上期の交通事故死者数

警察庁による2023年上半期の交通事故死者数が1,182名で、去年同月期より24名増加。

前年比増が10年ぶりとのことですが、ここ数年は外出自粛が影響し減少が続いたが、新型コロナウイルス禍での行動制限が緩和され人の動きが活発化したことにより、下げ止まった感じがします。

自転車のヘルメット着用率は増加しているものの、自転車事故による死者の約9割がヘルメットを着用していなかったことからも、企業としても、万が一に備えて自転車事故から命を守る取り組みを行ってみてはいかがでしょう。

人間の能力

人間には、多くの素晴らしい身体的な能力が備わっていますが、当然、それぞれの能力には限界があります。

たとえば、反応時間です。

ランプがついたらボタンを押すというような単純な動作でも、私達は0.3秒程度の時間が掛かります。

これは、どんなに素晴らしい反射神経を持っている方でも、時間を短縮するのには限界があり、ゼロにすることはできません。

当然、考え事をしていたり、他の事に気を取られていたりすれば反応時間が伸びるわけですが、「自分は反射神経が良いので、車間距離を詰めて走っても平気だ」というわけにはいきません。

また、車の速度が速くなれば速くなるほど、運転者の視野は狭くなり、遠くを注視するようになるために、近くは見えにくくなってしまいます。

したがって、速度を出しすぎると近くから飛び出してくる歩行者や自転車などを見落とすことになります。

予測するための能力

これらの人間の能力の限界があるなかでも、車を運転する際には、常に周囲の状況を見極め、危険を予測し、適切な判断を下す、危険予測能力は重要ですが、ここでは、車を運転する際の危険予測において、どのような人間の能力が必要なのか考えてみます。

1.観察力

周囲の車両や人々の動きをよく観察することで、道路の状況や信号機の変化、路面の段差や障害物など、細かな情報を見逃さないようにすることができます。

また、ミラーや死角に注意することも肝心であり、運転者の経験と訓練によって磨かれることが多くあります。

2.思考力

観察した情報をもとに、どのような危険が潜んでいるかを考える力が必要です。

例えば、前方に走る車両が急に減速した場合、その後ろの車に追突する可能性が高いことが予測できます。

また、交差点や駐車場など、特に危険が潜んでいる場所に対しても敏感に対応する必要があります。

3.判断力

観察力や思考力をもとに、最終的に危険と判断した場合、どのように対処するかを決断する判断力が必要です。

たとえば、急ブレーキをかけるか、スピードを落とすか、車線を変更するか、できるだけ被害を最小限に抑えるために適切な判断を下すことが必要です。

4.計画性

運転前に予定された道のりを把握し、そのルート上にどのような危険があるか想定する能力も必要です。

例えば、狭い道がある場合には交通量や歩行者が多くなると予測されますので、その場合は可能な限りスピードを落とし、慎重に運転していくことが重要です。

5.先見性

事前に起こりうる危険を、見越す先見性も重要です。

気象条件が悪化する場合には、路面が滑りやすくなったり、強風が起こったり、視界不良になることが予想されます。

これに備えて、予定されたルートを変更するか、速度を落とすことが必要です。

ここに上げる以外にも色々な能力が考えられると思いますが、そういった様々な能力によって、車を運転する際の危険予測が可能となります。

また、人間が行う危険予測は、なおさら緊急性や臨機応変さが求められるため、教育による知識や経験を積むことが安全な確立を上げることが可能です。

近年では自動運転技術の進歩に伴い、危険予測の自動化が進められていますが、まだまだ人間の能力に頼る必要があることには変わりありません。

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