内定者の運転評価

10月最終週となりました。多くの人事総務担当者が、内定者のフォローに奔走する日々をお過ごしではないでしょうか?
弊社における安全教育事業のカリキュラムの一つに『内定者向け研修』があります。この時期に依頼が増えるカリキュラムです。
今回は、期待と不安を抱える内定者の運転評価について、実際のデータを掘り下げて見ていきたいと思います。

自己評価と他者評価の乖離

弊社の実車研修では、研修の実施後に「運転評価シート」と「研修アンケート」を報告書としてご依頼者へ提出しています。
「運転評価シート」は、研修を実施した運転指導員が作成しています。それに対し「研修アンケート」は、受講者にご記入いただくものになります。
これらの報告書をとりまとめる中で気になるのが、評価点の乖離です。
実際のところ、受講者のつける評価点は指導員の評価点を上回ることがほとんどです。
つまり、受講者は過信傾向であることがうかがえます。
昨年度に実施した『内定者向け研修』から無作為にピックアップした3社では、下記のような結果でした。

【参考】

自己評価 指導員評価 乖離
最高点 最低点 平均点 最高点 最低点 平均点 平均点
A社(8名) 80 40 64 64 48 58 6
B社(5名) 80 60 70 61 43 55 15
C社(4名) 80 30 58 69 58 63 ▲5

※研修実施期間:2023年11月~2024年1月

受講者の気づき

「研修アンケート」の評価点の並びに、“自己評価点数が100点になるためには何が不足していたのでしょうか?”という設問があります。
受講者は「運転評価シート」の細項目と点数の内訳について目に触れる機会はなく、受講直後にアンケートを記入します。
設問の意図としては、振り返ることで気づきを得ることにありますので、回答に正解・不正解はありません。
よって、その回答は記入した時点における受講者の自覚する一番のウイークポイントと言えるでしょう。
参考までに、前項でピックアップした3社の中から各社の中でもっとも点数の乖離が大きかった受講者の回答を見てみましょう。

【参考】

交自己評価 指導員評価 乖離 回答
A氏 80 61 19 進路変更の合図は3秒前ですが、まだ焦ってしまってテンポ遅いです。車体の位置もやや右寄りになる癖があります。
B氏 80 61 19 後方の安全確認、死角に対しての目視確認。
C氏 80 69 11 安全確認などの初歩的なものが不足していた。

回答の検証

さて、安全運転を願う立場の者としては、前項の三者の回答に大きな不安を感じます。
不安を感じる要素は、基本的な運転行動の不適を自覚しつつも自己評価が高い点にあります。
『内定者向け研修』の受講者は学生であり、初心運転者も多く存在することでしょう。
免許を取得して間もない運転者が教習所で習得した運転方法を忘れるには、期間が短すぎます。
弊社の安全運転研修では、受講中にフィードバックを行うことで改善を目指しますが、習慣化できるまでには相応の時間と経験が必要です。

今回は、期待と不安を抱える内定者の運転評価について、実際のデータを掘り下げて見ていきました。
『内定者向け研修』は、企業ドライバーとしてハンドルを握ることの自覚を促します。
一方で、新社会人のスタートまでには多くのイベントがあり、その自覚はいったん置き去りになります。
運転者には交通参加者の責務として安全運転を履行し、新社会人として良きスタートを切っていただくことを切に願います。

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