『エコドライブ推進月間』に学ぶ安全運転②【車間編】

11月は『エコドライブ推進月間』です。『エコドライブ推進月間』とは、警察庁をはじめとする関係4省庁※で設置する連絡会によって毎年11月に推進されるエコドライブの啓蒙活動です。
(※警察庁ほか、環境省、資源エネルギー庁、国土交通省)
地球の環境保全に異を唱える人はいないと思いますが、その一方でエコドライブを現実の運転行動として実践している人はどれほどいるでしょうか?
今回も引き続き、『エコドライブ推進月間』を機に、環境に優しい運転技術を学ぶとともに人にも優しい運転=安全運転について考えていきたいと思います。

エコドライブ10~車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転

『エコドライブ10』とは、普及連絡会が策定する具体的な運転技術または心がけです。
その中から今回は“車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転”に着目してみましょう。
関係省庁のHPでは、車間距離のとり方について下記のような運転方法が推奨されています。

車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転

走行中は、一定の速度で走ることを心がけましょう。車間距離が短くなると、ムダな加速・減速の機会が多くなり、市街地では2%程度、郊外では6%程度も燃費が悪化します。交通状況に応じて速度変化の少ない運転を心がけましょう。

エコの観点では加減速の少ない運転が主役となりますが、安全運転の観点では車間距離の保持が主役となります。
車間距離が短いと速度に応じた停止距離が確保できなくなり、短くなればなるほど前方視界は狭まり、確認力・予測力は低下し、追突事故を起こしやすくなります。
規定速度に応じた速度のコントロールと速度に応じた車間距離の確保を徹底しましょう。

車間と道路交通法

近年においては、道交法の改正により煽り運転が厳罰化されてドライブレコーダーが普及したことにより、むやみやたらに車間距離を詰めてくる悪質なドライバーは減少したように感じます。
車間距離の不保持は言うまでもなく法律違反ですが、「法律に抵触するから」距離をとるのではなく、「自分の身を守るため」に距離をとることが第一義です。
その上に他車の安全まで気遣うことを全てのドライバーができたならば、これほど安全安心な交通社会はないと言っても過言ではありません。
下記は、車間距離の保持を定義した道路交通法第26条です。

第26条(車間距離の保持)

車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

車間距離の不保持に見る運転心理

車間距離が短い旨の指摘は、弊社の安全運転研修の受講者にも少なくありません。
「新入社員向け研修」に見られるアーリードライバーの中には、運転機会に恵まれた受講者も散見されます。
その場合、運転の “慣れ”が“慢心”への転換に見受けられる際は要注意です。
一方で、「事故惹起者向け研修」のベテランドライバーに共通する課題もまた“慢心”です。
運転経験を積み重ねる中で拡大解釈された独自の交通ルールが誤った成功体験になっている、という点が事故惹起者の特徴と言えます。

今回も、『エコドライブ推進月間』を機に、環境に優しい運転技術を学ぶとともに人にも優しい運転=安全運転について考えてまいりました。
“車間を詰められる”を“運転が上手い”と認識しているとすれば、それはただの勘違いです。
業種によっては、縦にも横にもとにかく車間を詰めることを求められ、またその結果を評価されるケースがあるかもしれません。
しかし、公道でその技術が評価されることはありません。
真に“上手い運転”とは、“周囲に余計な不安や気遣いをさせない運転”ではないでしょうか。

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