運転者の心得～酒気帯び運転の禁止～

2025年1月14日

コラム

成人の日を迎えました。20歳になると法律上飲酒が許されますが、車の運転となると話が違います。
「酒気帯び運転をする人なんてまだいるの？」と思いたいところですが、酒気帯びに起因する悲惨な被害事故はいまだに絶えることがありません。

今回は、教習所で学ぶ学科第1段階第2項「酒気帯び運転の禁止」に立ち返り、実際にあり得る場面での判断を考えていきたいと思います。

①酒を飲んでいる人で、これから運転する可能性のある人に車を貸すこと

Ｑ．他部署の同僚と挨拶へ伺った取引先で縁起物だからと御神酒を勧められ、二人で口をつけた。社有車で来たあなたの行動はどっち？

Ａ）口をつけた程度ではあったが念のため自身での運転は控え、帰りは酒に強い同僚に車を貸した。
Ｂ）少量とは言え口をつけたことに変わりはないため、二人とも車を諦め翌日回収することにした。

②これから車を運転する可能性のある人に酒を出したり、飲酒を勧めたりすること

Ｑ．明日の早朝、車で出張へ行くと話していた同期が律儀に新年会に顔を出していた。人付き合いを大事にするあなたの行動はどっち？

Ａ）一晩眠れば大丈夫だろうし、コミュニケーションをとることを優先して乾杯しに行った。
Ｂ）コミュニケーションはお酒がなくてもとれると考え、グラスを置いて話だけしに行った。

③運転者が酒を飲んでいることを知りながら、自分を送るように要求したり依頼したりして、その車に同乗すること

Ｑ．業界団体の賀詞交歓会に日頃から面倒をみている後輩と出席した。多くの関係者と乾杯し、酔いが回ったあなたの行動はどっち？

Ａ）後輩はたいして飲んでいなかったので、置いて帰る予定だった車で送ってもらうようお願いした。
Ｂ）後輩はたいして飲んでいなかったが自ら依頼するのはまずいと考え、誘われるのを待って同乗した。

解説

①酒気を帯びている人に車両を提供した人には、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が刑事罰として科せられます（道交法第117条）。酒に強いまたは弱いなど、主観による判断は論外です。

②車を運転するおそれのある人に酒類を提供した人には、酒気帯びの場合2年以下の懲役または30万以下の罰金が科せられます（道交法第117条）。二日酔いであっても、酒類提供者として責任が問われます。

③酒酔い運転が検挙された場合、同乗者にも罰則が科せられ3年以下の懲役または50万円以下の罰金です（道交法第117条）。乗車位置は問わないため、後部座席の主張は意味がありません。また、同乗者も運転免許取り消しや免許停止などの行政処分を受ける可能性があります。

まとめ

今回は、教習所で学ぶ学科第1段階第2項「酒気帯び運転の禁止」に立ち返り、実際にあり得る場面での判断を考えてきました。
酒気帯び運転はうっかりとは異なり意思をもって法律を犯す行為であることから、厳罰が科せられます。
また、白ナンバー車5台以上または定員11人以上の車1台以上を保有する企業にはアルコールチェックが導入されるなど、対策が強化されてきました。
それにも関わらず撲滅には程遠い状況です。
飲酒と運転の関係は周囲にも責任が及ぶことを認識し、一人ひとりが酒気帯び運転との関係を断ち切りましょう。

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