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適性検査結果に基づく行動分析①~運転と性格~
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2月20日は、「交通事故死ゼロを目指す日」です。
交通死亡事故の統計が取られ始めたのは、昭和43年のこと。以来、死亡事故が起きなかった日が1日もないことを鑑み、政府が取り組みを始めたことに由来します。
「春の交通安全」「秋の交通安全」もその一環ですが、交通事故はニュースで見る遠い出来事と感じるため、多くの人が“自分は大丈夫”と思い込んで運転を続けているのではないでしょうか?
今回は、学科教本第2段階の中から『適性検査結果に基づく行動分析』の「運転と性格」について、詳しく見ていきたいと思います。
1.運転に現れる性格
運転技術が同じでも、運転のしかたは人によって違います。
運転者個人の性格や癖が運転に大きな影響を与えるからです。
それでは、運転者自身は自身の性格と癖をどれほど理解できているものでしょうか?
適性検査は免許を取得する過程でもれなく行われますが、法規の理解と技量の向上が優先される段階において、検査結果を運転へ活かす余裕はありません。
だとすれば、とりわけ企業の看板を背負ってハンドルを握ることになったドライバーが行うべきことは、自身の適性を知り自己理解を深めることが安全運転の第一歩と言えるでしょう。
2.交通事故を起こす人、起こさない人
交通違反や交通事故を起こすことと、運転者の性格や癖の間には関係があることが知られています。
運転者の中には、何年間も無事故無違反の人もいれば、1年間に何回も交通違反や交通事故を繰り返す人もいます。
交通行政に用いられる言葉に“事故惹起(じこじゃっき)”という言葉があります。
国土交通省では、事故を引き起こす運転者を“事故惹起運転者”として、以下のように定義付けています。
1.死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の1年前に交通事故を引き起こしたことがない者及び軽傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の3年間に交事故を引き起こしたことがある者
2.死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の1年間に交通事故を引き起こしたことがある者
3.事故惹起者研修の意義
弊社が提供している安全運転研修の中にも、「事故惹起者研修」というプログラムがあります。
2024年1月~12月に依頼を受けた「事故惹起者研修」の割合は、全体の8%でした。
受講の判断基準は依頼企業ごとに異なるため受講者全員が上記の定義に当てはまるとは限りませんが、「これ以上事故を引き起こさせない」という管理部門の使命感と責任感が伝わってきます。
研修プログラムの割合(2024年1月〜12月)
研修の運転評価と適性検査の診断結果のフィードバックは、ともすれば「運が悪かった」と考えていた受講者が自身の運転を見直す貴重な機会となっています。
まとめ
今回は、学科教本第2段階の中から『適性検査結果に基づく行動分析』の「運転と性格」について、詳しく見てきました。
運転適性検査は心理検査のひとつです。
心理検査そのものは、広く教育・医療・人事管理などの分野で利活用されています。
運転に関係が深い動作・行動や性格をより正確に知るために、専門家によって監修された運転適性検査をうまく利用したいものです。
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