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リスク補償行動と安全運転

なぜ人は「安心」と思うと危険な運転をするのか?
皆さんは「リスク補償行動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、人が安全な環境にいると感じると、その分リスクのある行動をとってしまう心理的傾向のことを指します。
簡単に言えば、「安全だと思うほど、人は大胆になってしまう」ということです。
例えば、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)や自動ブレーキが搭載された車に乗っていると、「事故を起こしにくい」と感じ、いつもよりスピードを出してしまうことがあります。
また、四輪駆動車だからといって雪道で無理な運転をしてしまうケースもよく見られます。
こうした行動こそ、まさにリスク補償行動の典型例なのです。
では、なぜこのような心理が働くのでしょうか?
人間は、本能的に「リスクとリターンのバランス」を取ろうとする生き物です。
安全対策が万全だと感じると、その分大胆な行動をとってしまいがちです。
しかし、この過信が事故のリスクを高めているのです。
リスク補償行動を抑えるには
では、リスク補償行動を抑え、安全運転を徹底するにはどうすればよいのでしょうか?
第一に、「安全装備は事故を防ぐための補助であり、過信してはいけない」という意識を持つことが大切です。
どれだけ優れたシステムが搭載されていても、最終的に車を動かしているのはドライバー自身です。
第二に、「安全な環境こそ慎重な運転を心がける」ことが重要です。
たとえば、運転支援システムがある車だからこそ、基本に忠実なブレーキ操作や適切な車間距離を維持する意識を持つべきです。
そして第三に、「リスクを意識的に評価する習慣をつける」ことです。
スピードを上げる前に「この状況で万が一のことがあったらどうなるか?」と一度考えるだけで、より冷静な判断ができるようになります。
リスク補償行動を知ることの大切さ
リスク補償行動は、私たちが無意識のうちにとってしまう行動ですが、それを知っているだけでも安全運転につながります。
「安全は確保されるものではなく、自ら作るもの」— そうした意識を持ち、一人ひとりがより慎重な運転を心がけていきましょう。
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