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気になる、事故による損失問題
(損害保険協会による公表データ,2014より)
企業にとっての損失の大きさ?
事故の損失って、いったいどのくらいなものでしょう。
【直接損失】
(1)納品・予約等の約定の変更、(2)相手方の補償(人身・物損)、(3)自社側の人身・物損修理、(4)営業車の修理、(5)運転者の勤務上の時間・人件費損失
【間接損失】
(1)保険料の値上がり、保険等級への影響、(2)事故運転者の自信喪失等、(3)傷ついた営業車による企業イメージダウン、(4)自社の評判の低下
波及する損失の範囲は、企業にとって、とても幅広いですね。
さて、そこで今回は、日本損害保険協会が公表した調査結果をご紹介します。
あらためて、事故について、考えてみませんか?
なぜ警察統計でないのでしょう?
2014年まで、日本損害保険協会は、全国の保険執行データから、交通事故の被害額等のデータを算出し、毎年公表していました(現在は停止中)。
新しいニュースに出ないだけに、見逃されていますが、とても重要な数字に見えますので、紹介しておきましょう。
全国の警察署による交通事故の集計は、あくまで事故被害者が出たもの、つまり、人身事故です。
ところが、企業ドライバー等が、営業時に起こす事故は、圧倒的に物損事故が多いと言われます。物損、人身の事故を比較すると、統計上、警察署の統計には出てこない、物損事故のほうが、被害額でみても多いことが、冒頭のグラフからわかります。
さらに、次の円グラフを見てみましょう。
物的損失の構成割合は、構造物への衝突が最も多く、交通事故というとよく思い浮かぶ代表である追突事故よりも多いことがわかります。
走りながら、あるいは方向を変えるときの、構築物への衝突(35.7%)、そして、ムラサキ色で示した、種類別第4位の、後退時の衝突(7.1%)を合わせると、42.8%です。
これらふたつは、落ち着いて気をつけていれば、防げそうな物損事故です。
納品時刻など慌てる原因を抱えて、平常心を保てない場面で、ものにぶつかったり、後ろの車止めなどにぶつかる場面が、思い浮かびますね。
マジオネットの運転研修では、自分自身の感情傾向を把握するためのプログラムを幅広く取り入れています。
感情をうまくコントロールできる研修によって、マジオネットに研修を依頼するユーザー企業が、目に見えて事故が減るという成果が、納得できますね。
さて、これからの時代を占う、もうひとつ、追加のデータをご覧ください。
この棒グラフは、10年間で、物損事故の傾向がどう変化したか、というデータです。
このデータは、道路事情の変化、クルマ離れ時代と呼ばれる運転者の変化から、より、初歩的ミスが多くなっているようにも見え、側面衝突や追突が増えていることもたいへん気になります。
しかし一方、よく見てみると、年齢構成の中で、65歳以上の比率が目に見えて増えていることにも、注目しなくてはなりません。
赤字路線の公共交通機関が廃止され、過疎で高齢化が進む田舎ほど、自家用車や軽トラなどの運転以外に移動手段がなくなっていることなど、社会構造の変化もあるでしょう。これから、社会全体が超高齢化社会になっていく中で、ベテラン運転者が、特に運転に支障となる痴呆等を発症してなくても、視力や反射能力など、自己の五感の変化を把握しきれなければ、事故は、さらに増えるかも知れません。
交通安全研修と言えば、「運転技能と交通ルール」の確認と、まだ、思ってはいませんか?
どんなときに慌てるのかを自己把握するだけでも、四割以上の事故原因がなくなるなら、別の研修の価値、相当アルかも知れませんよね。
もしも気になったら、ぜひ、ご相談ください。