高次脳機能障害と安全運転。

高次脳機能障害と安全運転。

今回は高次脳機能障害の方の自動車運転再開についてのお話です。

企業様から高次脳企業障害の方の社有車の運転についてのお問い合わせを頂くことがあり、教習所業界でも高次脳機能障害の方への運転支援が徐々に広がりつつあります。

実際、高次脳機能障害は安全運転に影響を及ぼすことがあるため、運転の再開にあたっては様々な評価を行ったうえで、慎重に検討する必要性があります。

自動車運転には高度な脳の働きが必要です。

・正確にハンドル操作を行いながら、ちょうどいい力加減でアクセルを踏み込む。

・道路の状況を十分に把握しながらブレーキやウィンカー操作を行う。

・飛び出してくる自転車や車に瞬時に気付き、とっさに適切な操作を行う。

これらの動作は、脳が多くの情報を「同時に」「すばやく」処理しなくてはいけません。

自分自身の障害について気付きにくい。

日常生活の中では問題なく過ごしている高次脳機能障害の方でも、運転となると、より高度な能力が必要とされるため、問題が生じることがあります。

例えば、認知や反応が遅れることでブレーキ操作が遅れる、注意している障害物以外の人や車に気づけない、標識の存在に気が付かない、スピードが出すぎていることに気が付けない。

加えて、自分自身の障害について気付きにくいということも高次脳機能障害の一つの症状です。

これにより、自分では「大丈夫」「病気の前と同じように運転が出来ている」と思い、十分な客観視ができないまま運転を行ってしまうこともあります。

事故が許されないクルマの運転については慎重な判断が必要であり、高次脳機能障害の方を支える一つの支援として、今はまだ少ない専門的な教習指導員の育成が必要になってきています。

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