カーコミュニケーション

運転中、ドライバー同士が互いにコミュニケーションを行うことはスムーズな交通に欠かせません。

自動車の場合、言葉によるコミュニケーションができないために、車両の装置による合図や身振りによって、意志疎通を図ることになりますが、これらは総称して「カーコミュニケーション」と呼ばれています。

公式な合図と非公式の合図

カーコミュニケーションのための合図は大きく2つに分けられます。

ひとつは右左折時等のウインカーのように道路交通法で決められている公式の合図、もうひとつは渋滞を発見したときのハザードランプの点灯のようなドライバーの間で自然発生的に生じて習慣的に行われている非公式の合図です。

非公式な合図によるコミュニケーション

自然発生的な、非公式な合図によるカーコミュニケーションで、日常の運転のなかで多用されているものには、以下のようなものがあります。

①進路を譲るパッシングライト

②渋滞を発見したときのハザードランプ

③割り込みをさせてくれたあとのハザードランプ

④夜間の、すれ違いで道を譲るヘッドライトの消灯

⑤入れてもらうとき手をあげる

非公式な合図は、公式合図でカバーできないようなコミュニケーションを可能にするという、安全で円滑な交通のために一役買っているという好ましい面と、合図の意味がドライバーの共通認識になっているとは限らず、取り違いにより重大事故にもなるという危険な面があります。

たとえば、パッシングライトによる合図はどうでしょうか。

対向車のパッシングライトには「来るな。自分が先に行く」、「譲ります。お先にどうぞ」、「あなたのヘッドライトがついています」、「前方で取締りが行われています」、などの多様な意味があるとされています。

そうすると発信する側が「自分が先に行く」という意図でその行為を行ったとしても、受け取る側が「お先にどうぞ」という意味に解釈すれば、大きな事故になりかねません。

また、相手が初心運転者の場合は、メッセージの意味そのものがわからない場合もあります。

このように非公式合図は、教習所などで公式に教育されるものでないため、発信する側の意図が、相手に正確に伝わるという保証はなく、コミュニケーションが成立しない場合があることを知っておく必要があります。

そこで、実際の場面では、相手の合図を見て瞬間的に判断・行動するのではなく、状況をよく読みとり、行動することが大切です。

運転経験の少ないドライバーを多く抱える企業だからこそ、非公式な合図もOJTによる教育を行なって下さい。

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