column
令和の交通三悪とは
交通三悪とは
皆様は、交通三悪と聞かれて何をイメージされますか?
交通三悪とは、クルマの運転における交通違反で、特に悪質な三つの違反行為を言います。
「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」とういうワードは皆様の脳裏に残っていると思いますが、最近では新たなワードも出ており、時代の流れに合わせて交通環境も変わってきているのかも知れません。
昭和の交通三悪
昭和の時代、悪質性や危険性の高い違反として「無免許運転、飲酒運転、悪質な速度超過」の三つを挙げて、これを「交通三悪」と称していました。
飲酒運転や最高速度違反による事故での死亡事故率は、全体と比べると飲酒運転が7.4倍、最高速度違反では17.7倍と、交通三悪による死亡事故の発生率が非常に高くなっていました。
平成の交通三悪
平成の時代になると「新交通三悪」と称し、「違法駐車、過積載、シートベルト非着用」の三つを新たな三悪として取り上げるようになりました。
事故発生時に重大事故の原因となる危険性が高い、違法駐車、過積載、シートベルト非着用の交通違反は外見での判別が可能であり、事故発生前に未然の取締りができるため、盛んに取締りが実施されました。
特に違法駐車は都市部で慢性化し、大都市圏では深刻な問題となり、交通渋滞に拍車がかかっただけでなく、違法駐車した車両の陰から出てくる歩行者をはねたりする事故も多発しました。
令和の交通三悪
令和の時代となるといかがでしょうか?
一つ目は、最近マスコミでも報道されている「あおり運転」
最近マスコミでも報道されている「あおり運転」は、新たな交通三悪のトップにくることは間違いないでしょう。
テレビで毎日のように報道され、改めてその悪質性、危険性がクローズアップされてきています。
これまで、「あおり運転」を直接取り締まる規定がありませんでしたが、ドライブレコーダーの進化もあり、令和2(2020)年6月30日から「妨害運転罪」が創設され、今後は、違反1回で免許取消処分となり、最長5年懲役刑や罰金など厳しい罰則が科されます。
運送事業者が被害者になるようなケースもあるようですから、管理者におかれては、あおり運転をされた場合には相手ドライバーに関わることなく、慌てずに冷静な対処をするよう、ドライバーに対しての教育を徹底する必要があります。
二つ目としては、「ながら運転」の問題があります。
スマホや携帯の普及により、車の運転中でもこれを使用することが当たり前と思っているドライバーが多くいるようです。
実際に渋滞中など、ドライバーが頻繁にスマホに目をやる光景を見かけますが、都市部での交通環境ではいつ何が起きるかわかりませんし、瞬時に対応ができると本人は確信しているのでしょうが、決してそうでは限りません。
運転中は、スマホや携帯を使用しないことを徹底する必要があるでしょう。
三つ目としては、「歩行者優先」を挙げたいと思います。
横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は年々増加しており、令和元年中は平成27年の約2.3倍となっていることがあります。
また、日本は交通事故死者数に占める歩行中死者の割合が欧米諸国に比べ高いことや、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、歩行者優先が定着している諸外国からの外国人客を考慮すると“歩行者優先”という交通の基本の浸透は今の日本にとって必要なことではないでしょうか。
他の交通参加者に優しく
これらの「交通三悪」の中には、他の交通参加者を軽視するという共通の課題が隠されているようです。
時間に追われたり、イライラする事もあると思いますが、他の交通参加者の立場に立ちつつ、ルールを守りながら自己防衛を行なっていくことが今の交通社会人に必要なマインドなのではないでしょうか。
コラムの定期配信について
定期配信のご依頼を頂きましたら、以降の配信コラムを定期配信させていただきます。
【YouTube】交通事故防止セミナー(無料)
7月17日〜20日配信!【YouTube】交通事故防止セミナー(無料)『安全運転教育のプロが教える同乗指導のポイント!』