花粉症が運転に与える悪影響

花粉症が運転にあたえる悪影響

花粉症の症状を引き起こす植物はたくさんあります。代表的な例でいうと、スギ(飛散時期は2〜4月)、ヒノキ(飛散時期は3〜5月)でしょうか。

筆者が教習所の現場で教習を行なっていたときの話しですが、スギ花粉の時期は教習所が一年で最も忙しい繁忙期になります。

毎日忙しくしている指導員の中には、目を腫らし、鼻の下を赤くしながら、鼻水を垂れ流し、マスクをして奮闘している方がいたのを思い出します。

さて、話が逸れてしまいましたが、花粉症が運転に与える悪影響として下記の事が考えられます。

1、くしゃみで起こる脇見運転やハンドル、ペダル類の誤操作
2、鼻水や目が潤んで起こる集中力・判断力の低下
3、薬の副作用

たかが花粉症と甘く考えるのではなく、正常な運転ができない状態であれば運転を控えないといけません。

また、事故を起こせば、重い責任を問われる可能性もあることを知っておきましょう。

運転に悪影響を及ぼす

有名な話ではくしゃみ1回で0.5秒、目をつぶると仮定すると時速60キロで走行中ならその間に車は8メートル進む計算になります。

くしゃみをする時は肩など無意識に力が入り、ハンドルやブレーキ、アクセルを誤操作する原因にもなります。

また、目のかゆみによる涙で視界がぼやけたり、鼻水により意識が朦朧、鼻水が垂れた、ティッシュを取ろうとした等、脇見運転の原因にもなります。

ネットで調べる限り、花粉症に悩む職業ドライバー(トラック、タクシー、バス、電車運転手)に対する調査だと、サンプル数が309名に対し50.5%が花粉症の薬の副作用による「眠気・だるさ」を感じており、「集中力・判断力の低下」を感じている人も36.2%いるとうい情報もありました。症状を緩和しようと飲んだ薬で眠たくなり、運転が不安定になる可能性が考えられます。

花粉症が原因の死亡事故

花粉症のくしゃみなどの症状で事故を起こし、3人を死傷させた50代の男性に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で執行猶予付きの有罪判決を言い渡されています。

男性は花粉症の薬を服用していたが、運転中に目のかゆみや連続するくしゃみなど症状が激化。

くしゃみを連発し、前方不注意のままハンドル操作を誤り対向車線にはみ出し、軽乗用車と正面衝突しました。

裁判官は「花粉症でくしゃみやかゆみがひどくなった時、容易に駐車できる状況であったこと、花粉症の症状が出た場合、すみやかに運転を中止するべきであり、過失は軽いとはいえない」と指摘しています。

アレルギー症状により、正常な運転が出来ない可能性がある時点で、すみやかに路端やその他の安全な場所に車両を止めるべきでした。

車内なら花粉症は大丈夫?!

「車での花粉症対策って本当に必要?」と疑問を感じる方もいらっしゃると思いますが、たしかに車内であれば、外よりは安心できるかもしれません。

しかし、家同様に「車内に花粉を侵入させない」「車内の花粉を取り除く」といったことを行わないと症状は治らず、運転に悪影響を与える結果となってしまいます。

企業として社員の花粉症に対する指導も安全運転管理上、必要となります。

しっかりとした知識が必要

花粉症や薬と運転に関しては、道路交通法第66条に「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」と定められ、花粉症やアレルギーによる症状が出ている場合はもちろん、薬の副作用等によって正常な運転ができない状態で運転することを禁止しています。

たかが花粉症と甘く考えるのではなく、正常な運転ができない状態であれば運転を控えるなど、必要な対策を講じて事故防止に努める必要があります。

事故を起こせば、重い責任を問われる可能性もあることを知っておきましょう。

過去のコラム一覧はこちら!

コラムの定期配信について

定期配信のご依頼を頂きましたら、以降の配信コラムを定期配信させていただきます。

コラムの定期配信はこちら!

マジオネットのオンライン教育

★ネット環境があればどこからでも受講可能!
★PC、タブレット、スマートフォン等マルチデバイス対応!※1
※1:ご利用のOS、ブラウザ等により、一部ご利用になれないデバイスがございます。

無料体験申し込みページはこちら!