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花粉症とドライバーへの影響
国民病と言われる花粉症
いまや日本人の国民病とも言われる「花粉症」ですが、ウェザーニュースが行った聞き取り調査では58%の方に花粉症の自覚があることが分かっています。
※北海道と沖縄を除く全国を対象に2019年3月15日〜16日に聞き取り調査を実施し9361人の回答を集計
https://weathernews.jp/s/topics/201903/180165/
スギ花粉が飛散する2〜4月(ヒノキは3月〜5月)になると社内で目を腫らし、鼻の下を赤くしながら、鼻水を垂れ流し、マスクをして奮闘している方がいらっしゃるのではないでしょうか。
国民病である花粉症は、身近な運転時のリスクであり、運転に与える悪影響は下記の通りです。
1、くしゃみで起こる脇見運転やハンドル、ペダル類の誤操作
2、鼻水や目が潤んで起こる集中力・判断力の低下
3、薬の副作用
花粉症を甘く考えるのではなく、正常な運転ができない状態であれば運転を控えないといけません。
また、事故を起こせば、重い責任を問われる可能性もあることを知っておきましょう。
運転に悪影響を及ぼす
花粉症の症状にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみとありますが、有名な話ではくしゃみ1回で0.5秒、目をつぶると仮定すると時速60キロで走行中ならその間に車は8メートル進む計算になります。
くしゃみをする時は肩など無意識に力が入り、ハンドルやブレーキ、アクセルを誤操作する原因にもなります。
また、目のかゆみによる涙で視界がぼやけたり、鼻水により意識が朦朧としたり、鼻水が垂れ、ティッシュを取ろうとした等で脇見運転の原因になったりもします。
ネットで調べる限り、花粉症に悩む職業ドライバー(トラック、タクシー、バス、電車運転手)に対する調査だと、サンプル数が309名に対し50.5%が花粉症の薬の副作用による「眠気・だるさ」を感じており、「集中力・判断力の低下」を感じている人も36.2%いるという情報もありました。
症状を緩和しようと飲んだ薬で眠たくなり、運転が不安定になる可能性も考えられます。
花粉症が原因の死亡事故事例
花粉症のくしゃみなどの症状で事故を起こし、3人を死傷させた50代の男性に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で執行猶予付きの有罪判決を言い渡されています。
男性は花粉症の薬を服用していたが、運転中に目のかゆみや連続するくしゃみなど症状が激化。
くしゃみを連発し、前方不注意のままハンドル操作を誤り対向車線にはみ出し、軽乗用車と正面衝突しました。
裁判官は「花粉症でくしゃみやかゆみがひどくなった時、容易に駐車できる状況であったこと、花粉症の症状が出た場合、すみやかに運転を中止するべきであり、過失は軽いとはいえない」と指摘しています。
アレルギー症状により、正常な運転が出来ない可能性がある時点で、すみやかに路端やその他の安全な場所に車両を止めるべきでした。
ドライバーに対する知識教育が必要
花粉症や薬と運転に関しては、道路交通法第66条に「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」と定められ、花粉症やアレルギーによる症状が出ている場合はもちろん、薬の副作用等によって正常な運転ができない状態で運転することを禁止しています。
たかが花粉症と甘く考えるのではなく、正常な運転ができない状態であれば運転を控えるなど、必要な対策を講じて事故防止に努める必要があります。
事故を起こせば、重い責任を問われる可能性もあることを知っておきましょう。
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