加齢による身体能力の低下と運転について

近年、高齢者の悲惨な交通事故が話題になっています。

2024年の年齢層別死亡事故件数を見てみても、死亡事故を起こしたドライバー全体の約75%を40歳以上の運転手が占めています。
これは運転経験が豊富だからといって安全とは限らないことを示しています。

何故、加齢とともに事故を起こしやすくなるのでしょうか。

これは身体能力の低下が大きく影響しています。
人間は歳を重ねることで経験を積み、状況判断が良くなると言われております。
しかし、状況判断が優れていても、自分自身の身体能力が低下していることに気づいていなければ、事故を起こす可能性が大いにあります。

どのような身体能力の変化が運転に影響するのかを知っておきましょう。
まずは視覚能力です。
視覚能力には静止視力・動体視力・深視力・視野角など様々な能力があります。

一般的に免許更新等で行うのが静止視力です。

静止視力は止まっている状況での視力です。
いくら静止視力が問題なくても、動体視力が低下すれば距離感覚がとりにくく、追突事故を起こす可能性が上がります。
動体視力は40代から急激に低下していきます。
70歳以上の人は0.1前後まで低下しているという報告もあります。

そのため、70歳以上のドライバーは免許更新時に動体視力の検査が行われるのです。
しかし、40歳から急激に低下するということは、自分自身の動体視力の低下に気づいていないままハンドルを握っているドライバーが多いということです。
運転に慣れているからと油断せず、適切な車間距離の確保と早めのブレーキを心掛け、追突事故のリスクを下げる努力をしてください。

深視力に関しては大型車や二種免許など特別な免許を取得している方が検査をしますが、普通車や二輪車の免許のみの方は検査もしません。

加齢により眼球筋肉が衰えると深視力も低下します。

深視力は距離感に大きく影響しますので、対向車とのすれ違いや狭い道路での障害物との接触事故を起こす可能性があります。
狭い道路では速度を落として、対向車や障害物との距離感を把握するようにしましょう。
最後に視野角についてです。視野角は一般成人で約200度と言われますが、高齢者では約160度まで狭くなります。

視野角が狭くなれば、横道からの車の飛び出しに気付きにくくなります。
積極的に周囲に視線を動かし出会い頭事故を防止しましょう。

その他に身体能力の衰えとしては筋力や柔軟性です。

筋力の衰えはペダル操作に影響し、柔軟性は安全確認に影響を与えます。
足の筋肉が衰えることでブレーキペダルの踏み込みが甘くなり追突事故のリスクが上がります。
早めのアクセルオフからのブレーキ操作を心掛ける必要があります。
柔軟性が失われることで上半身の動きが鈍くなり、後退時の安全確認の範囲が狭まります。
見えない範囲を補うためには、途中で止まって確認するなど時間を増やすことで補うことが出来ます。

このように身体能力の衰えを自覚し、年齢に応じた運転方法を実施することでじこのリスクを減らしてください。

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