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もらい事故は、「仕方ない」と言っちゃってますか?
停まっているのに、後ろから別の車に突っ込まれてしまった追突事故
車同士の事故の約1/3を占めています。
車同士の交通事故の大半は、双方にある程度の責任があるものが大半というイメージがあるかも知れませんが、停まっているのに、後ろから別の車に突っ込まれてしまった追突事故は、車同士の事故の約1/3を占めています(警察庁交通局/平成28年)。
停まっているときに他の車から当たってきたのだから、運が悪いし、仕方ない、発生は事前には防げない、と言う方も多いのですが、ほんとうにそうなのでしょうか。
もらい事故に何回も遇う運転者の存在
他者に責任が100%あるはずの「もらい事故」なのに・・・
様々な企業から、弊社が交通事故防止の相談を受ける中で、もらい事故防止対策の依頼も増えてきています。
それというのも、他者に責任が100%あるはずの「もらい事故」なのに、同じ運転者が、何回か繰り返すケースが、けっこうある、というのです。
- a.信号が赤なので、停車したところに、後ろから追突されたドライバー。
- b.信号が赤ならば停車するのに、後ろから追突されたことがないドライバー。
このa.とb.の違いというのは、単に「運」なのか、a.のドライバーだけが二回目、三回目を体験した場合も、「たまたま繰り返し運が悪い」だけなのか、という問題ですね。
警察庁の統計では、統計上の全交通事故が年間53万6899件という中で、追突の件数は19万6868件もあるので、とても多くの追突が起きています。
たとえば、『交差点がまだ80mくらい先にあって信号の見通しが良い場合』
「歩行者信号の点滅し始め」が見えて、運転者が、無理しない方が良いという判断をがして、ゆっくりブレーキランプを点け消ししながら、少しずつ減速して黄色信号の終わりごろにゆとりを持って停止した場合、追突される確率は、とても低いでしょう。
また、すぐ後ろの車がスマホをいじりながら運転している状況が確認できていて、他の車線が空いているとき、先頭で信号待ちすることになりそうな場合に、予めゆとりをもって、車線を変更しておいた場合も、追突は避けられます。
上記のふたつは、
- (1)停まらなければならない状況が生じそうな場合に、できるだけ早く意思表示を後方に送る、ということと
- (2)危険が迫るおそれが考えられる場合に、可能であればその可能性を回避しておく、ということで
文章にして表すと、普通のことのように見えますが、実際の運転場面では、事故の原因となるあらゆる予備的な情報判断や、ゆとりをもった予測的な操作は、運転者によって、個人差が大きい部分です。
事故となりそうな原因を、どこまで回避して、また、危険の予測をどの程度深く行って運転するか。
ご希望の方には、現実の具体的な状況を掘り下げて、交通安全研修に取り上げていきたいと考えています。
「もらい事故」は、減らせるし、今まで思っていたより、けっこう防げるかも、と感じたあなた。
その発見。けっこう価値あるかもしれません。