個癖ワースト3〜危険予測編〜

夏休み真只中となりました。夏休み期間中は、小中学生の交通事故が多発します。
理由はご想像の通りですが、想像できているにも関わらずなぜ人は事故を起こすのか?
答えは、危険感受性にあると思います。
危険感受性とは、「何が危険か、どうなると危険な状態になるのかを直観的に把握し、危害の程度・発生確率を敏感に感じ取る能力」をいいます(厚生労働省)。

今回は、新入社員研修の中で見られる「個癖」ワースト3を、危険感受性の尺度となる“危険予測”項目からピックアップし解説いたします。
また、“危険予測”は“安全意識”と表裏一体とも言えますので、便宜上、両方の評価項目を合わせて見ていきたいと思います。

サンプリング方法

サンプリング方法については、前号をご覧ください。

個癖ワースト3~基本操作編~

サンプリング結果

前々号同様のサンプリングの結果、当該項目の評価内容別・平均評価点は以下の表の通りとなりました。
評価点は1~3点の3段階で採点しています。1点が低く、3点が高い評価となります。
当該項目においては、平均点が中間点(2点)となる結果が3種の内容において見ることができました。

危険予測 顕在的危険(目に見える危険)に気づいている 2.0点
潜在的危険(目に見えない危険)に気づいている 1.5点
危険に対する対応(制動の構えや減速、安全間隔)が適切にできている 1.4点
走行中に後方へ対する注意や気配りができている 1.6点
自分の存在を見せる事を意識した防衛運転ができている 1.8点
安全意識 運転態度や運転マナー 2.0点
企業ドライバーとして自覚を持った運転ができている 1.8点
リスクテイキング傾向(意図的な危険行動や不安全行動) 2.0点
先急ぎ傾向 1.8点
過信傾向(自己評価とのギャップが大きい、車の運転を軽視している) 1.9点
注意力にムラがある、または集中力がない 1.9点
心理的安定性(慌てるとパニック状態に陥る傾向が見られる) 2.0点

「個癖」の詳細は、通例、同乗したインストラクターにより所見として記述されます。
これらの所見の中で記述された「個癖」と合致する評価内容を紐づけ、最終的に「個癖」ワースト3として根拠となる道路交通法とともに解説いたします。

「個癖」ワースト3

第3位「駐車車両脇を減速せずに通過する」

“潜在的危険に気づいている”(危険予測)に該当する個癖です。
潜在的危険とは、目に見えていない危険のこと。自分が見えていないということは、相手にも見えていない可能性が高くあります。
そのような状況で互いがお構いなしに交通するとどうなるでしょうか…結果は火を見るより明らかです。
これまで事故が起きなかった運転を当然とせず、これからは先に相手に気付く運転を心掛けましょう。

第2位「信号の変わり目を予測してアクセルを踏み込む」

“先急ぎ傾向”(安全意識)に該当する個癖です。
市街地を走行中、下記のようなシーンは割とよく出くわすのではないでしょうか?
・「正面の信号は青。歩行者用の青信号が点滅を始めた。正面の信号が間もなく黄に変わりそうだ。」
・「正面の信号は赤。交差する道路の信号が黄から赤へ。正面の信号が間もなく青に変わりそうだ。」
例え青とは言え、交差点に向かって加速し通過するのは危険です。また、見切り発車も危険な行動です。
このようなシーンでは先を急ぐ気持ちを抑えましょう。企業の看板を背負っていることをお忘れなく!

第1位「信号機のない横断歩道を減速なしで突っ切る」

“危険に対する対応(制動の構えや減速、安全間隔)が適切にできている”(危険予測)に該当する個癖です。
日本は小中学校で「車は急に止まれない」と教育します。自己防衛の重要性を教えるための教育です。
故に信号機のない横断歩道では、子供たちはとても用心深く横断を始めます。
では、ドライバーはどうでしょうか?
「右見て、左見て、もう一度右を見て」ドライバーは左から見た方がよいと思いますが、わき見運転にならない範囲で子供たちと同じくらい用心深く、そしていつでも止まれる構えをとる癖をつけましょう。

今回は、新入社員研修の中で見られる「個癖」ワースト3を、危険感受性の尺度となる“危険予測”及び“安全意識”の項目からピックアップし解説いたしました。
いつしか全国の小中学校で「車は必ず止まってくれるもの。横断歩道は安心して渡りましょう。」と教育されることを目指し、運転者は危険感受性を磨き続けましょう。

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